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買い物袋
夜11時、電車を降りるとあの音がして、若い女性が引っかかっていた。電子式の切符が出来てからは、日常茶飯事である。
改札を出ると、風が吹いていた。寒いなぁ、と思いつつカバンから手袋を取り出す。

コンビニの脇を通り、いつもの踏切が鳴り出した。走っても間に合いそうにないので、ゆっくり歩いていく。
すると、閉まりかけた遮断棒をくぐり抜け、先ほどの女性が走った。手には買い物袋を持っている。完全に閉まった2つ目の遮断棒をくぐり、歩いていった。

回送電車が通り過ぎ、踏切が開くと、はるか先にあの女性が見えた。途中からは別の道のようで、角を曲がって家路を急いでいた。
せっかちだな、と思いつつ足元を見ると、梅の花びらが散っていた。

そういえば、ベーグルを食べそこねていた。コーヒーでもいれようか、とキッチンを想像したときに、1人分にしては大きすぎる買い物袋を両手に持った女性が思い浮かんだ。

ああそうか、と合点がいって、静かな想いが駆け巡った。

帰ったら、コーヒーを入れよう。たっぷりと、家族の分も。

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| イツモノ | 11:47 PM | comments (0) | trackback (0) | murari |








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